一般的に口臭の原因には大きく3つあります。
生理的口臭
病的口臭
心因性口臭
です。
生理的口臭は病気ではありません。病的口臭の多くは口の中の病気(虫歯や歯周病)によって発生することが多いです。心因的口臭は実際には口臭がないにもかかわらず、自分では口臭がひどいと悩んでしまう心理的なものです。
「こどもの口が臭い」と訴えるお母さんは少なくありませんが、実際にはそれほどの口臭ではないことも多いのです。
成人の口臭は歯周病が原因のことが非常に多いのですが、幼児では歯周炎を疑うことはまずありえません。
口臭の診断には、どんなときに口臭を感じるのかという事が大切です。例えば起床時であればあまり気にする必要はないと思います。この場合は寝る前のブラッシングを丁寧にやってみてください。眠っている間は唾液の量が少なくなるため、口の中の細菌が食べかすなどを分解した産物がたまりやすいのです。これは口で息をする癖のある子どもの口臭も同じ理由です。
口臭のほとんどはこの理由ですが、穴のあいたような虫歯が放置されている場合には起床時だけではなく口臭が発生するのでチェックしてみてください。
2013-12-18 11:32:29
この言葉を聴いてすぐにピンと来る方は少ないのではないでしょうか?。
しかし多くの人はこの[バイオフィルム]を日常で目の当たりにしているのです。
排水管や流しに生じる「ぬるぬるした汚物」がまさにバイオフィルムなのです。そして、川を歩いた時バイオフィルムに覆われた石に足を滑らせた事もあるかもしれません。
水中にいる特殊なバクテリアは、金属・粒子・医療用器具および人体の組織等…それらの種類を問わず表面に付着し、ベタベタした接着剤状の物質を排泄する能力を持っています。すると様々な細菌が集まりバイオフィルムが形成されます。
時間が経過し成熟した巨大なバイオフィルムには、菌類、藻類、原虫類など沢山の種類かならなる微生物が存在しています。
表面に住み着いたバイオフィルム(微生物)は周囲の環境に合わせ、様々な物質を生み出します。
それは人にとって有益なものもあれば、毒になるものもあります。
歯の表面に付着しているプラーク(歯垢)は、バイオフィルムの代表格です。
プラークの外側は保護マトリックスによって覆われています。これによってプラークの中にいる微生物は、抗生物質、宿主(ヒト)の抗体による攻撃に対して強い抵抗力を持っている事が分かっています。
前述のようにミュータンス菌を基礎として形成されたバイオフィルムは、ブラッシングでは容易に除去する事ができない上に、抗生物質や洗口剤でも死滅する事は困難です。
プラークはブラッシングでは磨き残しの多い場所(不潔域)で増殖を続けます。これらの場所では虫歯に対する防御のカナメである唾液の効果が薄く、余計に厄介と言えます。
不潔域とは
- 歯と歯の間
- 歯と歯肉の境目
- 奥歯のかみ合わせの部分の溝
- 詰め物や銀葉の周辺
- 義歯の金具(バネ)の周辺
などが代表的です。
では、具体的にはどのように対処したらよいのでしょうか?
バイオフィルムに対してもっとも効果の高い方法は、台所の排水溝の掃除と同様に、汚れをゴシゴシこすって落とす事です。歯科ではこのクリーニングをPMTCといいます。
※PMTC
汚れの染め出し
↓
専門器具によるバイオフィルムの破壊・除去
↓
フッ素によるコーティング
定期的なPMTCによって口腔内のバイオフィルムの数は減っていきます。
また、平行してプラークが増えやすい食生活や生活習慣(禁煙、規則正しい食生活、ブラッシング)を改善することも大切なポイントです。
バイオフィルム感染症に対抗するには、定期的な管理以外に勝る予防法はないのです。
しかし、社会一般にはほとんど理解されていないのが実情です。
患者様に「あと何回で終わりますか?」という質問を非常によく受けます。
痛いところも、悪い所もない、病気でもないのに歯科医院に通う必要は無いと考えている方が未だに大多数を占めているのです。
プラークが沢山付着していて、虫歯や歯周病のリスクが高い患者様の場合 虫歯や歯周病の治療が終わっても、今後は再発のリスクを下げる対策をしていかなければいけません。
定期検診と定期的なクリーニングは見た目は似ていますが、内容は全く別のものだといえます。
患者様自身が、クリーニング(PMTC)を希望する事をハッキリと伝える事もこれからの予防には必要だと思います。
当院では積極的にPMTCを行っていますのでお気軽にご相談ください。
2013-12-18 11:21:22
綺麗な口元というのは万人に共通した望みだと思います。そのための治療が審美歯科です。
審美という日本語は、森鴎外がaestheticという英語を和訳したのが最初だということです。
よく似た言葉でcosmeticがありますが、これは単なる美容的な意味であって歯科で言う審美には該当しません。
歯というのは見た目の美しさだけではなく、機能的にも美しくなければなりません。
歯は食事や発音など日常で必要不可欠な機能に大きくかかわっているからです。
つまり、単に歯を白くすればよいのではなく、機能的にも調和がとれ、歯周組織にも害を及ぼさない治療が本当の審美治療aestheticなのです。
当院ではすべての患者様にこのような治療を心がけています。
そのためには正確な診断、そして治療手順が必要になります。
具体的にはレントゲンや歯型をとったり、口の中の写真をとったりして診断を行います。その結果、根の治療や歯周病治療が必要なこともあります。
その分時間がかかることもありますが、長期的な予後を考えるとどうしても必要なことですのでご理解とご協力をお願いします。
その治療法のひとつをブログで紹介していますのでご覧ください。
http://plaza.rakuten.co.jp/toshinorishika/diary/200710080000/
2013-12-18 11:10:09
歯周病とは歯垢や歯石の沈着などが原因で、歯肉に炎症がみられ、歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。
歯周治療は様々な治療がありますが、重度の歯周病に対して行われる歯周外科は切除療法といいまして、悪くなった病巣を摘出してしまう治療なのです。
ですから、いったん失われた歯を支える歯槽骨や歯根膜、セメント質といった歯周組織にとって大切なものは再生させることができませんでした。
しかし、近年それらの失われた組織を再生させることのできる方法が開発されてきました。
GTR法(組織誘導再生法)とエムドゲインという2つです。
前者は再生させたい場所を特殊な膜で遮断することで既存の組織を再生させるという方法です。この欠点は術式が難しいこととその膜が再生中に露出しやすいことがあります。
後者のエムドゲインは胎生期の歯胚内で分泌されるエナメルマトリクスタンパクを応用したもので、歯周外科後に歯根表面に塗布することで、歯根膜やセメント質などを再生させるものです。この方法は術式も簡単で現在では数多くの症例報告もあり、大変有効な方法です。
ただ、すべての歯周治療にに使えるかというとそうではなくて適応症を選択しておこなう必要があります。興味のあるかたはご相談ください。
2013-12-18 10:57:36
歯周病の初期である歯肉炎には自覚症状がほとんどないか、あってもごく軽微なものです。ですから歯周病はサイレントディジーズ(静かなる病気)ともいわれています。しかしながら、その状態を放置しておくことによって歯肉炎から歯周病へと進行し、その結果様々な症状が出てきます。
具体的には
1.歯磨きで歯肉から出血がある。
2.口臭がある(人からいわれたことがある)。
3.歯の間に食べ物が挟まりやすい。
4.起床時に口の中がネバついて不快である。
5.歯肉がムズがゆいときがある。
6.歯が浮いた感じがする。
7.歯肉が充血して赤い、腫れている、痛みがある。
8.歯肉を押すと血や白く臭い膿がでる。
9.歯が以前よりも長くなったような気がする。
10.冷たいものでよく歯がしみる。
11.歯がグラグラ動く感じがする。
このように歯全体を一つの器官と考えて治療することを一口腔単位で治療するといいます。当院ではこの考えに基づいて治療を行っておりますので、是非とも歯の治療を受けるときには、一生自分の歯で食べられるようにこの一口腔単位での治療をうけることをおすすめしています。
この中でもおそらく皆さんにとって一番困った症状は歯がグラグラしてきて物がたべられなくなることでしょう。歯周病は歯を支えている歯槽骨が破壊されていく病気ですから、進行すると支えている骨が溶けてしまい、歯を支えることができなくなります。
上記のような症状に心当たりのある場合は、できるだけはやくかかりつけの先生にご相談しましょう。何よりも早期発見早期治療が最も大切です。
2013-12-18 10:53:44
一口腔単位は、歯科治療を受けるときに大変重要な意味を持つ言葉です。
ご存知の通り、歯は一本だけでは物を噛むという機能を果たしません。上下の歯が合い、初めて物が噛み切れます。上と下の歯が一本ずつでは物をかむ面積も少なく、噛んだ時に隣り合う歯がないと根に負担がかかりやすく、しっかりとはかめないでしょう。
物を食べたときの口腔の機能において、前歯は物を噛み切り、奥歯は物をすり潰すという役割を持ちます。前歯で噛み切られたものは、舌と頬の絶妙な働きにより、奥歯に送られます。さらにそれは咬合面(こうごうめん)にのせられると、下顎の運動によって幾度もすり潰され、ある一定の大きさになると嚥下反射がおこり胃に送られるのです。この間噛み砕かれた物は、前歯の方に出てこない仕組みになっています。このように人間の身体は非常によくできており、まったく無駄のない作りになっています。歯にも一本一本の役割があり、そして全体として一つの機能を果たすようにつくられています。
したがって、歯を治療する時は一本の歯だけを治療しても相対する歯や隣り合う歯が健康でなければ意味をなしません。つまり、一本の歯を治療する時でも、全体の歯との関わりあいを考えながら治療することが重要な意義を持っているのです。ただ単に一本の歯だけを治療すればよいという考え方は、痛みをとるといったことなどは治療できても口腔機能本来の回復に対する治療とはいえないのです。
このように歯全体を一つの器官と考えて治療することを一口腔単位で治療するといいます。当院ではこの考えに基づいて治療を行っておりますので、是非とも歯の治療を受けるときには、一生自分の歯で食べられるようにこの一口腔単位での治療をうけることをおすすめしています。
2013-12-18 10:48:15
私たちの体を支えている骨は、支持組織としての機能を果たしているだけではなく生命に必要なカルシウムやリンの貯蔵庫として重要な役割を演じています。カルシウムは神経系の伝達、血液凝固、筋肉の収縮、細胞内の調節などを行い、これらが常に働くように骨の代謝により体液のカルシウム量は一定に保たれています。
通常、骨密度やカルシウムは25歳くらいまで増え続けますが、40歳代以降は減少していきます。さらに女性は閉経後、骨を強くするホルモンであるエストロゲンの分泌がなくなるため、骨のカルシウム量が減り密度が薄くなります。このため骨に穴が開きスポンジ状になります。これが骨粗鬆症です。骨が極端に弱くなり、骨折を起こしやすくなったり、腰が曲がったり、寝たきりになることもあります。
これを予防するためには、必要な栄養素を摂取する健康な食事と、骨に適度な負担をかける運動が重要です。骨を強化する栄養素はビタミンD、カルシウム、マグネシウム、大豆などです。このような食物を効率的に摂取するためにも、自分の歯でよく噛むことが必要になります。骨粗鬆症は顎の骨にも起こりますが、歯があり十分に噛めている間は骨が強化されますので危険性が少なくなります。
そのことからも老後を健康で過ごすためには歯があることが大きいことがわかります。
2013-12-18 10:45:53
産まれて間もない赤ちゃんの歯肉や口蓋に直径1~数mmの白い球状のかたまりがみられることがあります。ぱっと見た感じは歯が萌えてきたようにみえますが、これは上皮真珠というものなのです。真珠という名前ですが硬いものではなく、中身は白いクリーム状です。
これは歯を形成する組織が歯を作ったあと吸収されずに残り、それが変化してできたものと考えられています。生後2週くらいまでの赤ちゃんの約40%に上皮真珠はみられるといわれていますが、ほとんど歯科受診はありません。おそらく小さなものではお母さんが気づかないうちに消失していると思われます。
このように上皮真珠はそのまま様子をみていると自然に表面が破れたり脱落したりして消えてしまいますので治療の必要はありません。またその後の乳歯の萌え方にも影響はありませんのでご安心ください。
もし、身近に出産直後の赤ちゃんがいらっしゃったらお口の中を観察してみてください。この上皮真珠がみられるかもしれませんよ。
2013-12-18 10:43:43
よく噛むことは唾液の分泌を促し、食べ物の消化吸収をよくするだけではなく、顔面の骨や筋肉の発育成長を促し、皮膚や血管の細胞を活性化する唾液腺ホルモンの分泌を促進するなど全身の健康や脳の働きに密接な関係があるといわれています。
つまり食事は栄養素やカロリーだけの問題ではなく、その組み合わせや食べ方はもとよりよく噛んで食べることが大切なのです。
この良く噛んで食べることによる効果をあらわしたのが「ひみこの歯がいーぜ」なのです。
つまり
「ひ」肥満防止
「み」味覚の発達
「こ」言葉の発音はっきり
「の」脳の発達
「は」歯の病気予防
「が」ガン予防
「い」胃腸快調
「ぜ」全力投球
の8つの効果なのです。
2013-12-18 10:40:17